驚異の生きる力! 奇跡の「クニオ」 横隔膜がないバク

02/11 13:13
大切なある部分が生まれつきない「マレーバク」が、広島の動物園ですくすくと育っています。

地球上でただ1頭、その奇跡に迫りました。

白と黒のツートンカラーが目を引く、マレーバクの「クニオ」。

2016年9月、広島市・安佐動物公園で生まれた。

マレーバクは、森林開発などで生息数が減っている、絶滅危惧種。

そんな希少なマレーバクの中でも、クニオは、ほかのバクと比べて、体の中に、ある決定的な違いが。

獣医師の野田亜矢子さんは、「あるべきところに、あるべきものがない」と話した。

異変は、生まれてまもなく見つかった。

幼い時期の特徴である「まだら模様」の小さな体には、呼吸をするのに必要な「横隔膜」がなかった。

その結果、本来であれば、おなかのほぼ半分を占める肺が、ほかの臓器に圧迫され、3分の1にも満たない大きさに。

ヒト以外の動物が口呼吸をすることは通常ないが、肺が小さいクニオは、必死に口を開けて呼吸をしていた。

さらに、手術をしてみると、心臓を守る「心のう膜」もないことが判明。

クニオの心臓は、むき出しの状態で、ほかの臓器に直に触れながら動いていた。

獣医師の野田さんは、「医学的・獣医学的・常識では考えられない状況が、おなかの中にあった。ないものを作るのは難しいので、諦めようねと確認だけして、(おなかを)閉じた」と話した。

「長くは生きられない」と、誰もがそう覚悟した。

しかし、周囲の心配をよそに、クニオは大好きなリンゴやバナナを食べて、すくすくと成長。

ほかのバクと、何ひとつ変わらず、生活している。

獣医師の野田さんは、「当たり前のように『普通のバク』をしている。おなかの中を見た身としては驚異。たぶん、地球上にただ1頭」と話した。

2月で2歳5カ月になるクニオ。

もうすぐ、大人の仲間入り。

来園者は「ぜひ、長寿を目指して、頑張って生き抜いていってほしい」、「元気に大きくなってほしい」などと話した。

クニオという奇跡。

その生きる力は、多くの人を驚かせ、勇気を与えている。

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