「新たなパンダ」供与で覚書交渉へ 日中「急接近」なぜ今?

10/26 18:32
競争から協調へ。
日中両国が急接近。
背景にあるのは、米中の貿易戦争だが、今後、日本はアメリカと中国の板挟みになるおそれがある。

26日午後、中国を訪問している安倍首相が、FNNの単独取材に応じた。

反町キャスター「長期的な日中関係。どういう日中関係を視野に入れた訪中になっている?」

安倍首相「日中が協力して、国際スタンダードのもとに、さまざまな分野で協力していく。そういう新しい時代を作っていくということだと思います。隣国であるがゆえに、さまざまな問題・課題もありますが、お互いに、それをマネージ(管理)し合いながら、基本的な関係を毀損(きそん)しないように、悪い影響を与えないように努めていく」

午前中、北京の人民大会堂で熱烈な歓迎を受けた安倍首相。

日本の首相が、中国を公式訪問するのは、実に7年ぶり。

6年前の2012年9月、日本政府が尖閣諸島を国有化したのを受け、中国全土で反日デモが吹き荒れた。

その後、安倍首相の靖国神社参拝により、中国メディアの日本批判はピークに達した。

しかし、今回の訪問では、手放しで歓迎された形の安倍首相。

26日、李克強首相と首脳会談を行い、共同発表に臨んだ。

安倍首相は、「競争から協調へ。日中両国の関係は今まさに新たな段階へと移りつつあります。活発な貿易は、日中両国民の絆をさらに深めるものになると考えています」と述べた。

首脳会談では、第3国におけるインフラ開発での協力や、お互いの通貨を融通する通貨スワップの再開などについて合意。

日中の協調をアピールした。

李首相は、「中国は、日本と歩み寄り、両国関係を正常な起動に戻すことを推進し、安定で持続的、健康的な発展を維持し、新たな進歩を実現していきたい」と述べた。

また両首脳は、中国から日本への新たなパンダの供与に向けた環境を整えるための政府間の覚書に関する交渉を進めていくことで一致した。

このように、融和ムードを演出する両首脳だが、その背景にあるのが、中国に経済的な圧力をかけているトランプ大統領の存在。

トランプ政権は9月、メキシコとカナダと新たなFTA(自由貿易協定)で合意した。

この協定に盛り込まれたのが、「非市場国家」との自由貿易協定を事実上禁止する条項。

この非市場国家とは、1党独裁体制のもとで、経済運営を管理する中国を念頭に置いたもの。

いわば、中国排除条項ともいえる。

この条項により、メキシコとカナダは、事実上、中国とのFTAを結ぶことができなくなった。

中国包囲網を敷く、トランプ大統領。

今後、この中国排除条項を日本にも使って、アメリカを取るのか、中国を取るのかという選択を迫ってくる可能性がある。

フジテレビ・風間晋解説委員は、「安倍首相とトランプ大統領が先月合意した日米物品貿易協定の交渉が来年1月にも始まる。この交渉の中で、アメリカ側が、中国との自由貿易を禁じる条項を盛り込もうと迫ってくる可能性が考えられる」と話した。

日中関係は、新たな段階を模索するというのはわかるが、これまで日中の懸案だった尖閣・南シナ海歴史問題。
こういった問題は、今回はどうなるか。

何をもって前進したかというのは非常に難しいことだが 安倍首相が強調している、まさに、「競争から協調へ」という言葉がキーワードになるのではないかとみられる。

例えば、政府関係者は、今回の会談で、日中で東シナ海のガス田の共同開発に向けた交渉の早期再開に向けて、意思疎通をより強化していくということで一致したことが、大変大きいとしている。

これはまさに、海洋の権益そのもので、2008年の状況以降、協議が一切進んでいなかった。
こうしたものを少しずつ積み上げていくという状況が、できあがってきたかなとみられる。

ただ一方、尖閣諸島をめぐっては、相互不信を解消し建設的関係を築いていくうえでの海洋安全保障の進展が重要だと確認するにとどまったということで、今後、問題を棚上げせず、協調ムードの中で前向きな解決策を模索していく微妙なかじ取りをしていくことになるとみられる。

そして、安倍首相と習近平国家主席の会談が始まった。

安倍首相は「日中の新たな時代を、習近平主席と切り開いていきたい」と述べた。

両首脳とも比較的、穏やかな表情のもと、会談は始まった。

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