犠牲者41人...広がる悲しみ 「震度7」から6日目

09/11 18:02
北海道を襲った震度7の地震から6日目。
41人にのぼった犠牲者の告別式が行われるなど、被災地では、悲しみを新たにしている。

最大震度7の激しい揺れに見舞われた、北海道・厚真町の町役場。

理事兼まちづくり推進課長を務めていた中川信行さん(62)の席には、きれいな花が飾られていた。

中川さんの同僚・江川允典さんは、「昔ながらだけど、『飲んで交流を深めるのが大事』と...。そこで、いろいろな話を聞いてもらったり...」などと語った。

町民との交流を大切にし、「街づくりの要」として奮闘していた中川さん。

地震による土砂崩れに巻き込まれ、帰らぬ人となった。

中川さんの同僚・江川さんは、「もちろん気持ちの中では、すごく悲しいですけど、(中川さんが)もしいたら、『やれ!』って絶対言うので、“僕らやるしかないかな”という気持ちです」と話していた。

役場の同僚たちは、悲しみをこらえながら、被災者の支援にあたっている。

地震発生から、11日で6日目。

北海道・稚内市沼川では11日朝、海面に白い煙が立ち上る「けあらし」が発生。
気温は氷点下0.9度まで下がり、今シーズン、全国で初めての冬日となった。

その寒空の下、苫小牧市では、厚真町での土砂崩れで命を落とした夫婦・田中 博さん(74)、利子さん(68)の告別式が、しめやかに執り行われた。

今回の地震による死者は41人。
そのほとんどが、土砂崩れなどによる窒息死だったことが新たにわかった。

厚真町民吹奏楽団で指揮者を務める男性。
松下一彦さん(63)も、土砂崩れに巻き込まれ、死亡した。

今週行われる予定だった演奏会に向けて、地震の2日前にも練習をしていたという。

松下一彦さんと楽団結成時からのつきあいの男性は「ウケてましたね。特に高校生に。常におもしろい」、「曲名言う時も略すんだけど、なんかオヤジっぽく略す。『松下語録帳をつくろうか』って話していたけど、いなくなっちゃった...」と語っていた。

明るいキャラクターで、幅広い人に愛されていた松下さん。
今回の地震では、廃棄物をリサイクルする仕事をしていた息子の陽輔さん(28)も犠牲になった。

息子・陽輔さんの同僚は「ほとんど遅刻とか聞いたことないし、欠勤っていうのも、ほとんど聞かない」、「人当たりが非常に良くて、人懐っこい性格」などと話していた。

むかわ町の自宅で、倒れてきた、たんすの下敷きになり、死亡した堀口政一さん(86)。

堀口さんを知る人は、「誠実で一本気な人でした。真面目を絵にかいたような人」と語った。

堀口さんは、映画を作って町おこしを目指すメンバーの一員で、大道具などを担当していた。

かけがえのない多くの命が奪われた今回の地震。
北海道内では、秋の行楽シーズンを前に、観光被害も深刻化している。

北海道東部を代表する観光地、釧路市の阿寒湖では、9月と10月分を合わせると、宿泊客1万人以上のキャンセルが出ているという。

男性は、「今は、もうお祭りの時期に入っている。早く元の状態に戻ってほしい」と語っていた。

ガラガラの観客席を前に、イルカなどのショーが行われていたのは、小樽市内の水族館。

小樽水族館公社・梅津真平さんは「車が全然。お客さんが、やはり少ない」、「通常なら一番奥にバスが10台くらいいる」と話した。

被害が少なかったため、先週土曜日、8日から営業を再開。
しかし、団体客の8割ほどがキャンセルになり、入場者の激減に頭を痛めている。

2017年、北海道を訪れた外国人観光客の数は、およそ280万人。
10年間で4倍以上に増えている。

相次ぐキャンセルの影響について、第一生命経済研究所・永濱利廣さんは、「北海道の観光客というと、外国人観光客が多いものですから、今回の地震の影響で、観光被害は1,000億円を超える可能性が高い」と語る。

こうした中、復興に向けた文字通り「希望の灯(ひ)」となっていたのが...。

1977年の有珠山(うすざん)噴火で減少した観光客を呼び戻そうと始まった、洞爺湖ロングラン花火大会。

半年にわたり、毎日花火を打ち上げる名物イベント。

地震当日、迷わず決行を決め、花火を打ち上げた。

洞爺湖温泉観光協会・野呂圭一事務局長は、「真っ暗な中、食べ物もない、お風呂も入れない。唯一、僕らがおもてなしできる部分は、花火なものですから。災害の時でも花火を上げて、元気になってもらいたい」と語った。

暗い空に打ち上げられる花火には、「災害に負けない」という強い思いがきらめいている。

(FNN取材団) (FNN取材団)

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