撮影日 : 2011年3月11日
場所 : 宮城県 気仙沼市
気仙沼市の市街地を襲う津波の様子を捉えた映像。
地震後、避難する人々が高台に集まってきた。
警報を知らせるサイレンや非常アナウンスが、街中に、けたたましく、何度も響き渡る。
カメラは断続的に、狭い湾内の対岸に係留された2隻のボートを捉えている。
はじめ2隻のボートは、尋常ならぬ水位の低下を知らせる。
度々の余震のあと、2隻のボートに凝視されたカメラが、みるみるうちに上昇する海面を捉えた。
水面は、あっという間に岸壁の高さを超えてあふれ出し、ボートを押し流す。
気がつけば、高台下の市街地にも水が押し寄せてくる。
浸水していく車、流され出す車...。街のいたるところで激流が発生し、路地という路地に流れ込む。
バリバリという大きな破壊音ともに、家屋にも襲いかかる波。土煙を上げ、次々と建物を破壊していく。
流され、壊された家々が1カ所に固まってひしめきあい、ギシギシと悲鳴のような、ごう音を響かせる。
湾の方を見れば、何隻もの船が波に翻弄(ほんろう)され、漂い、ひしめき合っている。
石油タンクや屋根つき桟橋とおぼしき巨大な物体までもが、湾内を回流している。
またたく間に水没した市街地。人々は、変わり果てた故郷の様子をぼうぜんと見つめる。